「私の話か。どう話せばいいかわからないな」 「強要してる訳じゃないんだ。気が済むまで話をしてよ。何でもいいから」 「そう。そうだな――」 朝凪柊汰と辻本園花は、そのまま橋の上に居た。 そして、朝凪が辻本の自殺を止め、彼女の話を聞くことになった。 …
――大気に魔力が満ちていく。 霧のような魔力が辺りを満たしていく――サーヴァント召喚の影響だ。 東雲妖汰は目の前の光景に興奮と緊張を覚えていた。 英霊召喚の詠唱を終え、今まさに、英霊が顕現しようとしている。 「……っ!」 体内の魔力がどこかへと消えて…
聖杯。 其は全てを叶える願望器である。 魔術師たちは、自らの願いを叶えるべく、万能の願望器を求める。 そして、聖杯を手に入れる為には、とある戦争を勝ち抜かなければならない。 それは、聖杯戦争。 ――真理を手に入れたければ汝、最強を以て力を証明せよ…
12月25日。クリスマス。 朝凪柊汰は独り、とある場所に訪れていた。 幼い頃に、よく訪れていた場所だ。 朝凪の住む町にある、車通りの少ない橋。 下には大きな川が流れており、その高さは思わず腰が引けるほどだ。 その川の向こうは、丁度夕日が落ちる場…